当社の製品 A 3

    日本で確認されている最古の文字の使用例は、埼玉県の稲荷山古墳で見つかった古墳時代中期(5世紀頃)のものと見られる鉄剣だ。3世紀の土器などにも文字の刻まれたものが確認されているが、漢字の「田」や「大」と読める字が1文字あるだけなので、記号としての使用と考えられてきた。

 ところが8月、弥生時代を専門とする柳田康雄・國學院大学客員教授が、九州北部を中心に西日本各地から出土し、これまで砥石と目されてきた石を精査した結果、すり減りの状態や黒い付着物の残滓から130点を硯と特定。そのうち5点は紀元前100年頃までさかのぼるとの見解を示した。

 日本最古の墨書は奈良県桜井市の上之宮遺跡から出土した木簡で、7世紀前半のものと見られている。今回、紀元前の硯が発見されたということは、(文字が使用された確たる証拠とまではいかないが)文字の書ける条件が備わっていたことを示す。それだけでも大きな発見だ。

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